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【徹底解説】「〇〇GPT」はNG!OpenAI ブランドガイドラインに注意

OpenAIブランドガイドライン

この記事を読むのに必要な時間は約 18 分 53 秒 です。

この記事は 2023/4/24 時点のブランドガイドラインをもとに作成しています

もしアップデート日時が違う場合は、この記事が最新とは限りませんので、公式のブランドガイドラインを確認することをお勧めします。

2023/04/24 に OpenAI 社からブランドガイドラインが発表されています。

すでに市場には OpenAI を使用したサービスが結構出ているので遅すぎるくらいに感じますが、まだリリースして半年の間にすごい速度で時代が変わっていていろいろと反応が麻痺してしまいます。

ブログでも ChatGPT についてよく話題にしているので、この機会にちゃんと理解してみます。

    1. OpenAI 社のブランドガイドラインの全容が理解できる!!
    2. 実際にどう対策すればいいかがわかる!!
    3. 実際にロゴの使用例や製品説明の記載例が手に入る!!

OpenAIを利用してサービス開発している方や、OpenAIについて何か発信をしている方は、一読をおすすめします。

ブランドガイドラインとは

ブランドガイドラインとは、企業のブランディング(「ブランド」を形作るための様々な活動)に取り組むときに、ブランドとして認知するために作った行動規範や規則をまとめたルールブック のことになります。

一言でいえば、

ブランドガイドライン

その「ブランド」を作った想いを、『正確に認知してもらうための決まり』が書かれたもの

近年はブランドに対する考えが重要視されており、あいまいな使われ方をすることで損害が起きることがあります。

そのため、早期にしっかりと作る会社は多いです。

ただし、もともとはブランドガイドラインの役割は、

企業間や従業員やユーザーに向けて、ブランドの表現方法を統一することでコミュニケーションを円滑にし、ビジネスを効率化すること

なので、損害が起きなくなることはそれによる副次的な効果なのです。

今回 OpenAI のガイドライン発表は、

急激に使われ始めている OpenAI 製品がイメージ低下しないように、急いで作られた側面が強いと思われます。

そのため、今後も状況に合わせて逐次修正を加えていくでしょう。

OpenAI Brand guidelines へアクセス

OpenAI ブランドガイドライン!何が書かれているの?

全体を眺めてみると、主に2つの事柄について記載されています。

OpenAI ブランドガイドライン の2大テーマ

  • OpenAI の社会的理念とOpenAIを説明する際のその取扱いについて
  • OpenAI に関するものすべて(製品、名称、ロゴ、技術、生成物)を使用する際の決まり事

つまりは、いままでは不明確だったものが明確に定義されたようで、開発者も助かるのではないでしょうか。

一般的なブランドガイドラインに当てはめて、もう少し詳しく見てみます。

OpenAI のブランドガイドラインを一般的なブランドガイドラインに当てはめてみる

MI(マインドアイデンティティ/Mind Identity)

MIとは、企業独自の理念やビジョンについての記載になります。

つまり、今回は、「OpenAI が社会の中でどのような存在意義を持つのか」が記載される内容になります。

これは、「Language」と「Press releases」の章に記載されています。

OpenAI の製品を利用した製品をプレスリリースとして出す場合は、次の理念を明記する必要があります

OpenAI の経営理念

  • OpenAI は AI の研究・開発企業である
  • OpenAI のミッションは、全人類に利益をもたらす安全で強力な AI を創造すること

また、プレスリリース以外でも、OpenAI のブランドイメージにかかわる表現をする場合は、明記するとよいでしょう。

昨今の有名 AI 研究者たちから ChatGPT への批判が高まっていたものに対して、 OpenAI 社はただの営利企業ではなく、社会をよりよくするために AI を開発しているということをしっかりと提示したように思えます。

BI(ビヘイビアアイデンティティ/Behavior Identity)

BIとは、社員の行動規範の記載になります。

つまり、その企業が理想とするビジネスパーソンについて示すものになります。

これについては、記載はありませんでした。

VI(Visual Identity/ビジュアルアイデンティティ)

VIとは、ブランドを一目でわかるように表現するものについての記載になります。

今回のOpenAI社は、ロゴ利用に関するものの記載がありました。

これは「Assets」の章で記載されています。

ロゴのダウンロード先の公開と利用に際して注意事項がガイドラインに記載されています。

ロゴのダウンロード

ロゴ利用に際しての注意事項は、結構抵触している人は多いと思います。

簡単にお伝えすると

  • ロゴのロックアップは、周囲に十分なスペースを確保する
  • アバターは、ロゴマークとコンテナのサイズ比を116:180で使用する
  • ロゴマークの向きは、中央の六角形が上下に尖るようにする
  • 以前のバージョンのロゴは使用しない
  • 独自にロゴを作らない
  • ロゴマーク(アバター)とモデル名(ChatGPTなど)を組み合わせない
  • ロゴの変形などは行わない
  • カラーの変更はNG(コントラストの最大化などはOK)
  • 塗りつぶしパターンはNG

結構実施している人はいるのではないでしょうか。特に変形、カラー変更は自社の製品のカラーとのバランスを考えて気軽に行えてしまうため、注意してください。

具体的なサンプルはガイドラインでわかりやすく画像付きで示していますのでご確認ください。

Assets のガイドラインへのリンク

XI(Experience Identity/エクスペリエンスアイデンティティ)

企業が顧客に届けるすべての顧客体験に一貫性をもたせるため、企業が包括的に設計する顧客体験のことです。

例えば、スターバックスなどは全店にわたって同じ店のつくり、接客サービスを感じられると思います。このようにこまかいところ一つとってもその企業が感じられるほど一貫していることがブランドの価値になります。

これについては、VI と迷いましたが、OpenAI社が自社だけでなくOpenAI のサービスを活用してサービス化している会社を含めて一貫性を持たせるという強い想いが感じられたため、XIに分類しました。

つまりは、OpenAI ブランドを利用するにはその理念やルールにのっとって展開する必要があるみたいな一種の覚悟のようなものです。

AIサービスというものが時代的にもまだまだ不安定な時期であり、サービスの形が他社と協力しながらスケールアップしていく特徴があるため、AIを社会に根付かせるためにも一つ一つの用語に厳格な定義をしています。

具体的には、OpenAI社の製品を利用した製品の場合の名称や説明についてのルールになります。また、パートナーシップを結んでいない会社がOpenAIを利用した場合の表現の仕方や、OpenAI のモデルで作成されたコンテンツに対する表記は必要ないことについても言及しています。

これまで、無法地帯だったところが一気に明確化しています。

とくに最後のモデルで作成されたコンテンツに対する記載については、コンテンツ作成は著作権や肖像権も絡むため重大な責任問題に発展する可能性がある事象なため、明記する場合の注意点がわかりやすく記載されています。

詳細は、次章「それぞれの詳細内容」の「Language」と「Usage terms」をご参照ください。

それぞれの詳細内容

ここでは、実際のブランドガイドラインの章ごとに記載されている内容を整理していきます。

いままでに説明してきたことを、ガイドラインの章ごとに説明していくので少し冗長に感じられるかもしれませんが、例示などもあり深く理解ができますので、最後までご覧ください。

Language

言葉の定義についてのガイドラインになります。

具体的には、OpenAI の製品を利用した製品や、似たような製品を開発している開発者(製品開発者向けのガイドライン)、および、OpenAI の製品を利用して作ったコンテンツに対するガイドラインになります。

3つ目のコンテンツに対しては、生成したコンテンツを公開するユーザも気になるところだと思います。

私も製品だけでなくブログなどの記事で表現する場合があるので注意したいと思います。

また、パートナーシップに関するガイドラインもあります。

それぞれについて説明します。

製品開発者向けのガイドライン

OpenAI の製品を利用した開発者向け

OpenAI の製品を利用する方法として。「API」「Plugins」「Model」の利用があげられます。

それぞれ利用した際に必要になる説明のサンプルが提供されています。

また、 OpenAI のプロダクトが主にとらえられるような表現は NG であるといった点で表記の仕方のルールも記載されています。

API 利用している場合の説明

API および、DALL-Eとそのほかのサービスについて説明例の記載もあります。

製品の説明時には以下の例を参考にすること明記することを推奨しています。

表記説明例(EN)説明例(JA)
Powered by GPT-4, GPT-4OpenAI’s most advanced AI system ※1, offers broad general knowledge and domain expertise, can follow complex instructions in natural language and solve difficult problems with accuracy.OpenAIの最先端AIシステム※は ※1、幅広い一般知識と専門知識を持ち、自然言語による複雑な指示に従うことができ、困難な問題を正確に解決することができる。
Powered by ChatGPT APIProducts powered by ChatGPT API are built on the same groundbreaking technology as ChatGPT, the industry-leading natural-language AI system from OpenAI.ChatGPT APIを搭載した製品は、OpenAIの業界最高水準の自然言語AIシステムであるChatGPTと同じ画期的な技術で作られています。
Powered by DALL·EOpenAI’s DALL·E system generates unique images and art from text descriptions, combining concepts and styles in creative and inspiring ways.OpenAIのDALL-Eシステムは、テキストの説明からユニークな画像やアートを生成し、コンセプトやスタイルを創造的かつ刺激的な方法で組み合わせます。
Powered by Embeddings OpenAI’s Embeddings is a set of models that can convert text into a numerical form.OpenAIのEmbeddingsは、テキストを数値に変換できるモデルの集合体です。
Powered by WhisperOpenAI’s Whisper is a model that converts audio into text.OpenAIのWhisperは、音声をテキストに変換するモデルです。
※1.“AI model,” “model,” “large language model” or “LLM” are acceptable substitutes for “AI system” if more appropriate for your audience.(「AIモデル」、「モデル」、「大規模言語モデル」、「LLM」などは、「AIシステム」の代わりとして、より読者にふさわしいものであれば、許容範囲です。)

powered by 以外のサンプルでNGパターンの例示もされています。

OKな例NGな例
(製品名)powered by GPT-4(製品名)GPT
(製品名)Powered by GPT-4(製品名)with GPT-4
(製品名)Built on GPT-4(製品名)AI by OpenAI
(製品名)Built with GPT-4ChatGPT-powered(製品名)
(製品名)Developed on GPT-4
(製品名)Developed with GPT-4

以上より、OpenAI 製品を利用して作られた製品は、OpenAI の技術インフラによって支えられているという表現にするべきで、まるで OpenAI 社が作っているような紛らわしい名称は控えるようにするべき だというニュアンスに感じられます。

Plugins 利用している場合の説明

プラグインを利用する場合は、そのまま「プラグイン」という用語を使用するように記載しています。

その際は、会社名や製品名を先頭に表示して、そのあとに「OpenAI」やモデル名を表示することを指示しています。

OKな例NGな例
(製品名)plugin for ChatGPT(製品名)plugin for OpenAI
(製品名)Powered by GPT-4(製品名)plugin compatible with ChatGPT
(製品名)ChatGPT plugin(製品名)plugin works with ChatGPT
(製品名)plugin integrated with ChatGPT

plugin for OpenAI について

本文には、「OpenAI」の表記もOKと書いてありますが、NGな例に記載されています。いままでの文脈から私は、「plugin for OpenAI」はNGなのではないかな予測しています。(表での記載が正解)

こちらについては修正が入るかと思いますので、アップデートが入ったら追って修正いたします。

Models を利用している場合の説明

OpenAI のモデルを利用している場合は、正確なモデル名や日付に基づいたバージョンのモデル名を使用することを推奨しています。これは以下の内容そのままです。

モデルクラスや特定モデルの記載はよく見かけるので注意が必要です。

OKな例NGな例
正確なモデル名を使用:GPT-3, GPT-4, ChatGPT API, DALL·E API間違ったモデル名の使用:Chat GPT, ChatGPT4, GPTChat
日付ベースのバージョンモデル名使用:GPT-4 Mar 14 versionモデルクラス名の使用:Ada, Babbage, Curie, Davinci, GPT-3.5-turbo
特定のモデル名の使用:text-davinci-003
モデル名の代わり "OpenAI" の名称の使用

OpenAI の製品に似たような製品を開発している対象者向け

いわゆる、OpenAI の製品と似た製品であった場合、OpenAI の製品ではない記述を目立つように明記するようにと記載されていました。

これは、非常に難しい内容かと思いますが、OpenAI に寄せて便乗しないようにするためのガイドラインのように感じます。

たしかにこれだけ社会的インパクトがある場合は、必要な措置かと思います。

OpenAI の製品を利用して作ったコンテンツ

これは、主に画像などのサービスで作成されたコンテンツについて気になる方は多いのではないでしょうか。

こちらは「Content attribution」で記載されています。

OpenAIのモデルで生成されたテキストや画像を公開する場合、属性を付ける必要はないです。

これは意外に感じられるかたは多いかと思いますが、OpenAI としてはそのコンテンツの責任の所在がユーザにあるため、逆に記載した理由として 「生成物は OpenAI には責任はない」という意思表示かと思われます。

ここでいう属性は、Image属性だけでなく、コンテンツに対する説明なども含まれると思います。

ChatGPTについてついでに読む

そもそも、無料なの?安全なの?セキュリティーは?今回の生成コンテンツの責任の所在についても整理しています。

ちなみに、OpenAI 社から推奨する明示方法も例示してくれています。

OKな例NGな例
Written with ChatGPTWritten by ChatGPT
Caption written with ChatGPTCaption written by ChatGPT
Created with DALL·ECreated by DALL·E
Image created with DALL·EImage created by DALL·E

ここからも、生成物の責任の所在を OpenAI と誤解するような記載はNG に受け取れます。

Assets

ロゴ使用に関する規約になります。

こちらは、さきほど説明したロゴ使用の注意事項の箇条書きとOpenAI社のブランドガイドラインのサンプルイメージを直接確認していただくことをおすすめ致します。

Press releases

OpenAI サービスを利用した製品などは、プレスリリースでOpenAI について記載することが多いです。

その際に、OpenAI の理念

  • AIの研究・開発企業であること
  • OpenAIのミッションは、全人類に利益をもたらす安全で強力なAIを創造すること

を明記することが必要になります。

プレスリリース以外にも、何かしら社会的に影響がある報道の場合にも、上記は求められるように受け取れる記載もありました。

もし迷う場合は、パートナーコミュニケーションチーム(partnercomms@openai.com)に問い合わせるよう指示しています。

Usage terms

OpenAI を利用したサービスが利益を得て、間接的にOpenAIが利益を得ることの了承と、OpenAIのマーク(OpenAIに関する名称、ロゴ、アイコン、デザイン要素すべて)を使用する際の許可について以下の制限を明示しています。

  • マークの利用はブランドガイドラインの内容を遵守した場合にのみ使用ができるようにOpenAI 社が許可する
  • マーク利用許可は、OpenAIが許可できるのであって第3者が許可できるものではない
  • OpenAI はガイドラインを更新でき、利用者はそのガイドラインに対し適切な時期に対応をする必要がある
  • マークの利用者は OpenAI からの変更要求に従う必要がある
  • OpenAIは マーク利用者の利用停止を要求することができる

どのような方法で使用状況の確認をするのか、これだけ全世界で利用されているため難しい側面はありますが、利用者側だけでなく使用者の倫理感も求められている気がします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。そこまで厳しい内容ではないと思います。

社会的にも注目されているサービスのブランドガイドラインとして非常にわかりやすい内容だったかと思います。

引き続き、革新的なサービスが出た際にどのように変革していくのか注目したいところです。

    最後にもう一度確認

    1. OpenAI 社のサービスを利用して製品を作る場合は、ブランドガイドラインに従ってマーク定義(OpenAIに関する名称、ロゴ、アイコン、デザイン要素すべて)や説明を行う必要がある。
    2. OpenAI のロゴを正式にダウンロードして利用する方法が明記され、禁止事項もあるので注意して利用すること。
    3. ブランドガイドラインに記載されていないことや、ニュアンスが難しいところは(partnercomms@openai.com)に質問すること。なお法律に関しては(legal@openai.com)に質問すること。

今回はOpenAI のブランドガイドラインの内容を整理しました。認識違いや質問などございましたらコメントいただけると幸いです。

なお、当該内容に基づいて行われた行動やその結果についても一切の責任を負いません。読者は自己の責任において、当該内容を利用するかどうかを判断する必要があります。最終的には原本のブランドガイドラインをご確認していただくことをお勧めいたします。

  • この記事を書いた人

Ryosukelly

10年以上パッケージプロダクトを作るITエンジニアです。現在は AI 製品開発責任者で Azure や AI にかかわることが多いです。培った技術をわかりやすく発信していきます。妻と 4 歳の息子とネコ 2 匹(メイ・マロン)で毎日たのしく刺激的にやっています。 人生を楽しむための情報を発信していきます。よろしくお願いいたします。

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